特権階級の中華料理
1981年に講談社から『蟹の足の痒くなる季節』として出版され、1985年に徳間文庫に『中国グルメ紀行』として収められたものの再録。「本場の草魚釣り」が新たに加えられている。
著者は西園寺公望の孫で、中国との外交関係で活躍した。本書は長い中国生活で味わった様々な料理を気軽に語ったもの。中華料理を日本人に紹介するという意図から書かれており、いまから見ると古い部分(キムチが朝鮮漬けと呼ばれたり)もあるが、充分に楽しめる。
旧貴族・外交関係者であるため、中国政府から実に手厚いもてなしを受けている。特権階級の中華料理とは、こういうものなのかと思った。
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